超家出:77:「in a house」バカな!ここは8階のハズ―― ドサッ。 何かが地面に落ちる音。まさか。 標的が死んだとなれば俺たちの首も危うい。 標的を確認するためベランダから下を見た。 黒いものが見える。全く動かない。 しまった――急いで警官は下に降りた。 行ってみるとそこにはただのくしゃくしゃのシートがあった。 光は口笛を吹いた。7階のベランダ天井で。 そう、あのときもらった腕につけるサスペンダー。 名前は忘れたが、確か「伸縮なんとかサスペンダー」って言うらしい。 あれを飛び降りた後にベランダの下の柵部に引っかけて、そのまま落ちる勢いで七階へ。 幸い空き家だった。 物干し竿をひっかける部分に足を引っかけ、動かないようにしてすぐさま囮を下に投げた。 こんなにうまくいくとは思わなかったが。 まだ下には警官がいる。 しばらくはここを動かずにいよう。 下に警官がいなくなったらここを移動して……いや。 警察は必ずこのマンションの捜索を始めるはずだ。 下は絶対人がいるはず。さて、どう動こうか…… その時、早希からメールが来た。 ――大丈夫?今どこにいるの? とりあえず居場所と経緯を説明。 ここから逃げるにはまず警察に目撃されないことだ。 朝。 「探せ!まだ近くにいるはずだ」 警察は合計10人近くに見える。 それぞれの階層をしらみつぶしにあたる。 1階。2階。3階……いない? 「全部あたりましたが、いませんでした!」 「なにぃ!?夜の間は誰も怪しい奴は出してないんだろ!?」 「はい、ちゃんと住民は名簿で確認して身元が怪しい人はいませんでした……」 「……どういうことだ……!」 学ラン、持ってきておいて良かった。学生で警察はやり過ごせた。 つづく ジャンル別一覧
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