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アイテムなぞ使ってんじゃねぇ!

アイテムなぞ使ってんじゃねぇ!

超家出:7

7:「in a house」


バカな!ここは8階のハズ――

ドサッ。

何かが地面に落ちる音。まさか。

標的が死んだとなれば俺たちの首も危うい。

標的を確認するためベランダから下を見た。

黒いものが見える。全く動かない。

しまった――急いで警官は下に降りた。



行ってみるとそこにはただのくしゃくしゃのシートがあった。

光は口笛を吹いた。7階のベランダ天井で。

そう、あのときもらった腕につけるサスペンダー。

名前は忘れたが、確か「伸縮なんとかサスペンダー」って言うらしい。

あれを飛び降りた後にベランダの下の柵部に引っかけて、そのまま落ちる勢いで七階へ。

幸い空き家だった。

物干し竿をひっかける部分に足を引っかけ、動かないようにしてすぐさま囮を下に投げた。

こんなにうまくいくとは思わなかったが。

まだ下には警官がいる。

しばらくはここを動かずにいよう。

下に警官がいなくなったらここを移動して……いや。

警察は必ずこのマンションの捜索を始めるはずだ。

下は絶対人がいるはず。さて、どう動こうか……

その時、早希からメールが来た。

――大丈夫?今どこにいるの?

とりあえず居場所と経緯を説明。

ここから逃げるにはまず警察に目撃されないことだ。






朝。

「探せ!まだ近くにいるはずだ」

警察は合計10人近くに見える。

それぞれの階層をしらみつぶしにあたる。

1階。2階。3階……いない?

「全部あたりましたが、いませんでした!」

「なにぃ!?夜の間は誰も怪しい奴は出してないんだろ!?」

「はい、ちゃんと住民は名簿で確認して身元が怪しい人はいませんでした……」

「……どういうことだ……!」





学ラン、持ってきておいて良かった。学生で警察はやり過ごせた。

つづく


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